地中熱って、聞き慣れないかもしれません。
でも実は、地面の下には一年中ほぼ一定の温度を保つ"自然のエネルギー"が眠っています。
私たちは、その地中熱をヒートポンプで取り出し、冷暖房や融雪に利用しています。
快適さと省エネを両立する、新しい暮らしのかたちをご提案します。
地中熱とは、地面の下にある安定した温度の熱エネルギーのことです。
地下数十メートルの地盤は、季節に関係なく一年中ほぼ一定の温度（10～17℃）を保っており、夏は冷房に、冬は暖房に活用できます。
外気温と地中の温度の差をうまく利用することで、効率よくエネルギーを使えるのが特徴です。
こうした地中熱は、太陽光や風力と同じく"再生可能エネルギー"のひとつ。
自然の力を使いながら、地球温暖化に影響を及ぼすCO2の排出を抑え、環境にやさしい暮らしを支える手段として注目されています。
しかも、地中熱は天候や時間帯に左右されず、安定して使えるのが大きなメリット。
地域や季節を問わず活用できるため、持続可能なエネルギーとして今後ますます期待されています。
ヒートポンプとは、低い温度から高い温度へ熱をくみ上げる技術です。
冷蔵庫やエアコン、エコキュートなど、身の回りでもよく使われている省エネ技術として知られています。
ヒートポンプは、圧縮機・蒸発器・凝縮器・膨張弁などで構成され、地中や空気中の熱を効率よく取り出して、少ないエネルギーで大きな熱を生み出す技術です。
通常、熱は高い温度から低い温度へ自然に移動しますが、ヒートポンプはその逆の動きを電力を使って行います。温度差が大きいほど、熱を移動させるために必要なエネルギーも大きくなります。
私たちは、夏は外気より涼しく、冬は外気よりあたたかい「地中熱」という安定した自然エネルギーを活用することで、効率よく冷温熱を作り出すことを可能にしています。
床からお部屋をあたためる低温ふく射熱のぬくもり
床からじんわりと伝わる"ふく射熱"のぬくもりが、お部屋全体をやさしく包み込みます。
低温でもしっかり暖かく、自然な体感温度で快適に過ごせます。
頭上が暑くなりすぎず、室内の温度ムラを防ぐ
低温水によるふく射熱のの効果で、暖かさがやさしく広がるので、頭だけが熱くなるような不快感がなく、部屋の中の温度ムラも少なくなります。
空間全体が均一に暖まり、心地よい室内環境を保てます。
身体が冷えすぎることがない
ふく射パネルを利用すれば、冷房の風が直接体に当たらないので、冷えすぎる心配がありません。
また、除湿効果も期待されます。
冷水温度の調節により、細やかな温度調節が可能
7℃～20℃と、冷水の温度を細かく調整できるため、室内の温度をきめ細かくコントロールできます。
また、中間期などにはヒートポンプを介さずに地下水や地中の熱エネルギーだけで冷熱を利用するフリークーリングも行うことができます。
地中熱を利用する方法には、大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつは"クローズドループ方式"と呼ばれるもので、地中に埋めた配管の中を液体が循環し、地中の熱とやりとりする方法です。
もうひとつは"オープンループ方式"で、地下水などをくみ上げて熱を利用する方法です。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、地域の地盤や地下水の状況、使用する建物の規模などによって最適な方法は異なります。
私たちは、お客様の環境に合わせて、最も効率的で安心して使えるシステムをご提案いたします。
長府製作所の地中熱は、北海道から九州・沖縄まで、地域や気候を問わず導入されており、全国各地で実績を積み重ねてきました。
住宅の冷暖房だけでなく、庁舎や民間の事務所、道の駅など、さまざまな施設で活用されています。最近では、農業分野での利用や、工場などで発生する廃熱を組み合わせたシステムも登場し、用途の幅が広がっています。
こうした広がりの背景には、地中熱の安定性や省エネ性、そして環境負荷の少なさといった特長があります。日本全体で取り組む脱炭素社会・持続可能な社会づくりにも貢献しています。
